イワナ学のススメ


いつも遊んでもらっているイワナの生態にちょっとだけ迫ってみましょう。
以外に知られていないことがたくさんあるもね・・・・

第1回 イワナのカラダ
第2回 イワナの視力
第3回 大イワナの秘密
第4回 イワナの飼い方


第1回 イワナのカラダ


皆さんが釣り上げたイワナ、お持ち帰りのときは現場で内臓を取り出しますよね。
さあ、取り出した臓器の説明ができますか?
何度となく解体作業をしているあなたでも一つ一つの臓器の名前と役割は?・・・
ね!   それでは下の画像をごらんください。

     

胃と腸はわかりやすいですね。 内容物を取り出して串に刺して塩コショウでこんがり
焼けばとても美味い部分です。
房状の幽門垂は消化の手助けのためにあるんです。
脾臓も探しにくい臓器ですね。
心臓はエラを取るときにコロンと出てくるのでわかるでしょ。
エラと同様に血あいもきちんと取らないと、腐敗ば早く進行しちゃいますよね。
この血あいが腎臓なんですよ。
腸の長さが以外に短いのは、やはりイワナは肉食動物であることの証明ですね。
 それから、よく「尺イワナ」といいますが、これは全長のことを言うですよね。
鼻の先端から尻尾の先までが、33cmあれば、「尺イワナ」ってことになるです。
(巷り釣り人の潜在的希望から、尺は30cmになりつつありますが・・)
経験から、死後硬直した後は若干縮まるので、測定は釣り上げた直後に測定する
方が得です!(?)
体長はあくまでも尻尾(尾ひれ)の付け根までなんです。

しかし、フライフィッシャーマン達が使う単位もあんまり統一性がないですよね。
8フィート6インチのロッドに12フィートのリーダー、釣り上げたイワナは尺イワナ・・・
ねえ 単位はどっちかに統一しましょうよ(笑)



第2回 イワナの視力

今回は、イワナの視力と捕食能力についてお勉強しましょう

魚の視力が広いことはよく知られていますよね。
魚眼レンズっていう言葉があるぐらいですから。
単眼視野で見える角度は180度ぐらいなのですが、目のついている位置から考える
と両眼で遠近を確認できる視野は、前方30度くらいなんですね。
単眼視野では物体の動きは捉えられるので「うん?・・あれはなんだ?」といって近づいて両眼視野に入って、遠近感がつかめた時点で餌を”パクリ”って具合なんでしょうね。
イワナの視力は0.1から0.5と推定されているみたいです。
視力0.5の人が水中に潜れば、1〜2mくらい先のものは区別がつくでしょうけど、
渓流のいくら澄んでいるきれいな水の中でも、視認距離は3mが限界といわれています。 イワナの鼻先3mが視力で物体をきちんと確認できる最大距離と判断できる
でしょう。

 イワナは色彩感覚があるのでしょうか??
実は、あると推定されています。
毛ばりに様々な色り工夫をするのには意味があったんですね。(よかった)

 イワナのあのでかい口・・実際どれぐらいの大きさの餌まで食べることができるのでしょう? よく釣りの小説なんかで、蛇や野ネズミを丸ごと飲み込んだ話が載っていますが、どうも「?」だったんです。・・・・
一般に魚の口径は、上あごの長さ×√2で表されるんだそうです。
この数値の70%が、イワナが食べることのできる餌の大きさなんだそうです。
とすれば、尺イワナの上あごを4cmとすれば、5.6cmの70%で3.9cmのネズミで
あれば口の中に入るということですね。 やっぱり小説の内容って本当なのかな?

             

一度針がかりして逃がしたイワナは少なくとも30%は拡大されて、釣り人の記憶に
残るようで、しかも年々成長していくこともよく知られています(笑)




第3回 大イワナの秘密

年も明けましたから新春初キャスティングに向けてイワナの勉強をしましょう


 尺を超える大イワナは年齢もそれなりだと思いがちですが、必ずしも
大イワナ=高齢魚とは限りません。
大きなイワナが釣れる川や湖にはそれなりの理由があります。
成長速度を決める要素はいくつかあり、水温・えさの量・生息密度など
です。
最も好条件で成長する環境は水温20度前後で、エサがしこたま豊富
にあり、生息密度が薄いところになります。けど、自然下ではなかなか
こんな環境はないでしょうね。
何かの本に、日本の大イワナの公式記録が83cm、6.7sが載って
いました。場所は湖とのことで、やはり大イワナの育成環境に適してい
るんでしょうか。
 先ほどの条件に照らし合わせると、エサは渓流に比べて少ないけど
生息密度が少ないために、渓流に比較して湖は水域とエサの量が
相対的に増大するから比較的早く大きく成長するのでしょう。
ちなみに尺イワナになるまで、湖では3年、渓流では4年位かかるよう
です。 とすれば、尺イワナがたくさんいる場所は、湖か大きな川とい
うことになります。
でも、面積が大きい場所に薄く広がっているので、釣りあげるには、
集まる時期と場所がキーポイントですね。

あなたのホームグランドは大イワナのチャンス どれぐらい?




第4回 イワナの飼い方


久しぶりのイワナ学ですが、今回は飼育方法です。

 釣あげたイワナは様々な形で料理されます。
ポピュラーな塩焼き、ゆず味噌や山椒味噌でみそ焼き、小型であれば
唐揚、私の友人は燻して燻製にします。
尺上であれば迷うことなく刺身でいただくと、この上ない旨みが味わえ
ますね。
 さて、ほとんどの人がこうして料理して食べるのでしょうが、釣り上げた
イワナを生かして持ち帰り、飼ってみるというのはどうでしょう?
イワナを飼育するためには、アンモニア等の有害物質を除去して、常に
酸素を供給しなければいけません。
また、水温を低く保つことも大切です。養殖場等では流水式でこの条件を
満たしていますが、水量は一時間に飼育槽の全体が交換されるくらいが
必要だそうです。
ですから、100リットルの水槽では毎分1.7リットルの水量が必要になり
ます。一般的な水槽で観賞用に飼うならエアポンプで爆気して循環ろ過槽
で固形物や有害物質を取り除けばよいわけです。
ただし、冷水魚であるイワナには冷却機も必要になります。
これだけのものをそろえると結構コストがかかるんですね。
 野生のイワナはほとんど人工飼料は食べません。昆虫や小魚などの
生餌もなかなか食べてくれないほうが多いみたいです。
水温が10度を越えるようになると様々な病気が発生します。
バクテリアによるせっそう病や細菌性肝臓病、ウイルスが原因の
伝染性造血器壊死症、よく見かける水カビ病などです。
こんな風に考えると釣ってきた魚を水槽で飼うのは決してたやすいことで
はなく、しかもイワナにとっては決して住みやすい環境ではないですね。
 私の友人は天然ものではなく養魚場から小型の固体を購入して、
60センチ水槽で約2ヶ月間飼育しました。
夏場で冷却装置のない状況でよくこんなに長生きしたものだと言って
おりました。 飼育水の冷却方法は毎日氷を入れてやること。エサは
生きたメダカや小型の金魚でした。臆病な魚なので隠れる場所を
作ってやったり、水槽の置き場所も人の通らない所で静かに近づくよう
に気を使ったとのことです。
観賞どころの状態ではないようですね。
また泳ぎ回るスペースがなく、驚いては水槽の壁に激突を繰り返して
いたそうです。最低でも120センチ以上の水槽が必要ですね。
これらの証言からイワナを飼育するためには、120センチ以上の水槽
と強力な循環器、安静な環境と冷却装置が絶対必要のようです。
二つの大型水槽を上下にレイアウトして、下部水槽にイナワを入れて
上部水槽に定期的に氷等で冷やした水を滝のように下部水槽に落とし
ろ過器を通して再びポンプで上部水槽に戻すというような
上下循環式なんかいいかもしれません。
もちろん豊富な水深とエサ捕食のためのスペース、隠れ家なんかを
設置してやることは必ず必要です。
定期的に病気防止の薬品を投入したり手間がかかりそうです。
それでも飼いたい方は挑戦してみては・・・・・

筆者はやっぱり美味しく食べてあげるほうがいいような気がします。





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