懇 願


糠塚狐森


(個人宅のため写真は掲載しません)


八戸市は城下町として発展してきたため、市内数箇所に刑場跡と呼ばれる
場所があります。
こういうところでは、現在でも造成・建築工事の際に刀などが出土するそうです。
売市にも刑場跡があり、住宅建築の際には神主さんのお払いだけではなく、
お寺にも供養をたのむ方もいらっしゃるそうです。(某寺住職談)

この話は、現在もそこに住んでいるご本人から聞いた話です。
国道340号線大杉平の坂を上りきったあたりにある、某教習所の裏手下には
たくさんの住宅が立ち並んでいますが、この方はその中の一角にお住まいに
なられており、現在はもう何事も起こらなくなったそうです。

この方がここに家を建てたのが今から20年ぐらい前になりますが、新築後引越し
も終わり生活が落ち着いたある晩、ふと目覚めトイレに行こうとしたころなにやら
台所から洗い物をする音が聞こえてくる、「どうせ婆さんが晩飯の洗い残しの食器
でも洗っているんだろう」とあまり気にもとめず、用をたしてその日は床についた。
翌日お婆さんに聞いてみたところ洗い物などしていないという。
奥さんに聞いても知らないという。
まあいいかとその日は出社し、その日の夜は何事も起きなかった。

翌日朝、今度は奥さんがお婆さんに夜中に洗い物をしなかったか聞いている。
やはり、していないと答えている。 奥さんはご本人にも聞いてきたが、昨夜は
トイレにも起きていないので知らないと答え、「もしかして婆さんボケてきたかな」
と思った。

その翌日朝、再び奥さんとお婆さんが洗った洗わないの話をしているので、2人に
話を聞いてみたところ、奥さんが夜中に台所で洗い物をしている音を聞いたので、
お婆さんに聞いたところ、お婆さんの方もあんたじゃないのと逆に聞き返されたと
いう。 2人とも夜中に台所での物音を聞いていたのだった。
この時は、どちらも気のせいじゃないかということで片付いたが、その日の夜今度
はまたご本人が夜中にトイレに起きたところ、台所からカチャカチャと食器のぶつかる
ような音が聞こえるので台所に行ってみた。

しかし誰も台所にはおらず音もしない。
電気を点けて見ると確かに何者かが食器を洗ったような跡があるので、泥棒かも
しれないと考え勝手口の戸締り等を一通り確認してみたが、鍵がちゃんとかかって
いるため、「じゃばさまだろ」とばかりお婆さんの寝室に行って聞いてみた。
お婆さんは今起こされたような感じで、洗っていないという。
奥さんも起きてきたので3人で台所の確認をしてみたところ、翌朝洗おうと思って水に
つけておいた食器がすべて洗い終わってある。
しかも、奇妙なことに食器棚の中の使っていない食器まで洗った形跡がある・・・

この日から毎晩のように音がし、食器がすべて洗われているということが続き、
あまりにも気持ちが悪いので、神様(地元の霊能者)に見てもらうことにした。
すると、この家の敷地は昔首切り場で、そこで処刑される人たちの母親や妻が、夫
や子供をなんとか許してくれと懇願し、いろいろと賄いをしているのだという。
受刑者の家族の念が今でも残り、食器を洗ってくれていたというのが真相だった。

丁重に拝んでもらったところ、その日から何事もなくなったという・・・・・

現在このご本人は60代後半になられているのだが、いまでも台所にお線香を焚く
そうである。


人の念というのはすごいですねー


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